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2012/05/05

理想のエコハウスづくり22 〜ストローベール登場!〜

ストローベール、ストローベールとうるさく言っていましたが…


実は、購入のめどがついていませんでした。

家を作り始めた当初、あちらこちらを見ながら、これだけ大麦や小麦畑が
ありゃ、簡単に手に入るなと思っていました。というか、実際、
その農家さんと話したりして、いくらいくらで手に入る、など聞いていました。
だからこそ、ストローベールの家を作ろうと思っていたのですから。

そもそもストローベールがなぜ建築材になりうるかというところからいきますと、
わらのブロック(ストローベール)は、断熱性にすぐれ、なおかつ室内の湿度の
調節もしてくれるというスグレもの。つまり、ただ、最後に土に戻るという
だけではなく、住んでからのエネルギーの節約にもなるのです。

穀物のわらの根と穂の間の茎の部分は、筒状になっていて空気をたくさん
含んでおり、それが断熱の働きをしてくれます。さらにわらをよく見ると
わかりますが、ろうを塗ったようにつるっとしており、防湿効果があります。
さらにわらは、冷水にも熱水にも溶けないセルロース、腐朽や食害への抵抗性を
有する木質素と呼ばれるリグニン、そしてげっ歯類をのぞく(実はこれが一番
危ないんだけど…)動物虫類にとって消化しにくいシリカなどを含みむので、
劣化しにくい性質を持っているのです。


ちなみに、家づくり用のわらの質として一番いいのは、なんとお米だそうです。
エクアドルでお米は育てられていますが、海岸地方のみなので、うちの場合はNG!
その次にいいのは、冬植えの小麦、スペルト小麦、ライ麦、冬植え大麦、夏植えの小麦、
押し麦、夏植えの大麦の順。
私たちの手に届くのは小麦か大麦です。小麦大麦に関して言うと、夏も冬も
ないので(乾季か雨季)、今手に入るのは、夏に相当するのか冬に相当するのかが
わかりません。この場合、いつ植えたんでもいいから、小麦を目指そう!それが
なければ、大麦でという結論になりました。

一番遠いところで、カヤンベ。(うちから車で1時間くらい)
近いところだったら、コタカチ郡内。

でも手に入れるのは、積む直前ではないとダメになってしまう可能性があるので、
様子を見つつ、という感じでした。

ようやく内部のめどがついたので、ストローベールを探さないといけません。
でも折しも、雨季後半。
まだ、完全に乾燥していないし、何より雨にぬれた状態では収穫はしません。
(機械が壊れてしまうので。)でも早くわらを積みたい!
でも、人間の都合に合わせるのではなく、自然のリズムに合わせるのが
エコハウスのあり方。

でもその間も、いつどこで大麦の収穫が行われるか、あっちこっちに電話して
目星をつけておきます。そこら中で、麦を植えている感じなのに、意外とない。

そして何軒か目で、ちょっと遠いですが、車で40分ほどのイバラという町のそばで、
大麦収穫という情報を得ました。ただ、収穫と言っても、わらのブロックを
私たちの必要な密度にしてもらわないといけないので、誰でもいいというわけでは
ありません。一番大事なのは、わらを刈るのと、わらブロック作りの機械を
両方所有し、安価でやってくれる気のいいおじさんを探すこと!
というのも、その農地の所有者は、だいたい業者に穀物を全部丸ごと売ってしまうので、
その時点で、穀物は業者さんのものになるからです。
そのおじさんが、イバラのそばでやると教えてくれました。(でもそのために
くどいくらい電話した。)

しかし次の月曜日から収穫するという週末、超豪雨。

絶対無理だろうと思って、でも念のため電話したらやっぱり延期。
でもただ待っているだけではダメだから、と、小麦や大麦を植えているところを
探し、車でドライブ。見つける度に、持ち主を聞き出し、連絡し、収穫の予定を聞く。
そんなことを繰り返しながら、待つこと1週間。
ここ数日晴れたからいけるはず!と思って、例のおじさんのところに
また電話したところ、イバラの方では豪雨が続いていたので、やっぱり無理とのこと。
ダメもとで、他で収穫しているところを聞いたところ、

「コタカチのピルチブエラで大麦やるけど。」

いやっほーーーい!!
ここは、うちから15分のところ。イバラよりもずっとずーっと近い!
よっしゃ!とエクトルが車で交渉に行きます。
というのも、とにかくカタイ、密度の高いわらブロックにしてもらわないと
いけないからです。
密度は、90kg/㎥以上、理想は110kg/㎥以上だそうです。(重さ÷(高さ×幅×奥行き))
サイズで言えば、高さ35〜41cm×幅85〜115cm×奥行き40〜50cmで15kg以上の
ものが理想です。
かなり何度もやり直してもらって、高さ40cm×幅80cm×奥行き40cmで、12〜17kgまで
やってもらいました。少々軽いのがあるのですが、それでも93.75kg/㎥なので、
使えます。基本的に重いのは壁の下の方、軽いのは上の方に設置することにしました。





本当は、ベールを作っているところの写真がほしかったのですが、
これしか撮っていなかったエクトル…。

とにかく、うちのピックアップトラックと大型トラックの二往復で、なんとか
400個、ストローベールを購入することができました!


↑全身わらだらけになりながらの搬入。



ただし着いたのが午後遅くだったので、家に運び込むのに暗くなってしまって、
ちょっと大変でした。みなさまお疲れさまでした。

ちなみに1個$1.40。トラック一往復運び代が$20。
$1.40 x 400個 = $560
$20 x 2往復 = $40
合計$600となりました。屋根の瓦よりも安い…。

いよいよ、ストローベールを積み上げます!


>>続く。



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