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2013/02/21

森からの栄養

  液肥だとか、硫黄&カルシウム肥料だとか、コンポストだとかいろいろ肥料を
作っていますが、今回作ったのは森からの栄養をもらうもの。

 日本語でなんていうのかわからないのですが、スペイン語では「Cultivo de Microorganismo」。直訳すれば「微生物培養」でしょうか。でもそれは、理科室で
シャーレの中で培養するのではなくて、ドラム缶サイズのバケツ(?)の中で
作ります。

 材料は、森の腐植土、糖蜜、米の籾殻。

 木々が成長し、枯れ葉や枯れ枝が落ちると、土の上に溜まっていきます。
それを土壌に住む動物や微生物が分解し、森林植物の栄養源となっていきます。
そのミネラル、活性化した水、微生物を含む腐植土を農業に使わせてもらうのです。


 糖蜜は鉄分を含み、糖分で分解を早めてもらうため、米の籾殻(粉にしたもの)は
マグネシウムや炭水化物を含み、微生物の食べ物になってもらうために使います。


 ここで大事なのは、同じ地方(気候)の森の腐植土を使うこと。その地域に存在する
在来の微生物、その遺伝子の記憶とも言うべきものこそが、その地域にあった微生物
これは友達のホセに教わったことですが、すごく腑に落ちました。
「地域のものを使う」これは家づくりをする上でもとても大事なことでした。
私たちは、コタカチの高山地方に残っているわずかなアンデスの森の腐植土を
もらってきました。



 驚いたのは、道路にアスファルトを敷くために、少ない森がさらに
伐採されてしまっていたこと。こうして、人間の理のためにどんどん森が
なくなっていってしまうのだなと改めて実感。


↑表面の葉っぱを少しどけて、中の分解した柔らかい土。

 腐植土二俵、米の籾殻二俵をビニールにあけて、まず混ぜる。



↑すごい埃。

 そして糖蜜2ガロン(10リットルくらい)を少しずつ投入。
ちょっとパンとかケーキを作っているみたい。


↑しっかり混ぜるとこんな感じ。

 液肥だとか、硫黄&カルシウム肥料だとか、コンポストだと
 まず腐植土をほぐし、籾殻をしっかりまぜて、それから糖蜜を加えます。
なんだかパスタを作る感じ。

 そしてこれを、タンクの中につめていくのですが、嫌気菌が活発になるように、
空気を抜きながらつめていくのです。森の腐葉土には好気菌と嫌気菌が入っています。
まず嫌気菌が活動し、メタンガスを発生させます。その間、好気菌は、
休眠状態にあります。メタンガスはその後二酸化炭素、CO2になります。
その二酸化炭素の酸素を使って、好気菌が活発化し、より多くの微生物が
発生するということなのだそうです。



 これを1ヶ月から3ヶ月放置し、さらにこれ1kgにつき、20リットルの水+4ガロンの
糖蜜をまぜて2週間置いてできあがり。

 最初の二週間置いたものの匂いをかいだことがありますが、干しぶどうのような
フルーツのようなとてもよい香りがしました。こうなるように、神様にお願い。
なんだか麹を作ったときを思い出します。

 これは土に蒔けば、微生物が活発になり、ミネラルを分解し、野菜の
栄養になってくれます。そしてうちにはハエがたくさんいるのですが、
これをたとえば牛舎とか、クイの小屋とか、鶏糞とかコンポストトイレにまけば、
微生物が有機物の発酵を促して、匂いやハエの発生を抑えてくれるとか。
私は前者もさることながら、後者の効能も期待しています!
 

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