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2012/12/27

今年のクリスマス

 今年のクリスマスは、うちのお年寄りの鶏さん二羽をしめて、いただきました。

 自分一人じゃまだ全然できないので、この道のプロのマエストロに教えを乞いつつ、
さばきました。

 まず、何ができないって鶏をつかまえること。羽をバタバタさせられると、
うっと腰が引ける。特に今回は、ヒジョーも凶暴な雄鶏さんもいただくことに
なったのでとても無理。何回も後ろからけっとばされ、以後棒を持って対峙すること
数回。棒でつついても、ひるみやしない。むしろもっと攻撃的になる。
超でかい雄鶏に、首の羽を逆立てて、翼を広げて威嚇されると、マジで怖い。
そんなヤツを捕まえられるわけがない。マエストロも、蹴られたと言っていたけれど、
さすがです。近づいていって、さっと足をつかみ、バタバタする雄鶏をズタ袋に。
かっちょいい…。

 雄鶏もそうだけれど、あとちょっと老いた雌鶏さんも。


↑雌鶏さんに卵がないことを確認しているマエストロ。

 お湯をわかしてスタンバイ。そして首にナイフを入れて、血を出す。(さすがに
その写真はパスで…。)そして間髪入れずに、お湯に1分くらいつけます。
そうすると、羽が抜けやすくなるので、急いで抜きます。
くちばしと足と鶏冠の薄皮もはぎます。


 解体作業もマエストロに教わります。最初に残っている羽をきれいにとり、洗います。
そしてまだつながっている首を切り落とし、お尻の油の部分を切り取って、
おなかの辺りに包丁を入れてぐぐっと広げ、内臓を壊さないように、引っ張ります。
黄色い脂肪たっぷり。のどの食道(?)をとりのぞき、ハヤと呼ばれる、
黒っぽい緑色のものをのぞき(これがやぶれるとお肉の味が苦くなるそう。
日本語でなんだろう?)、心臓、砂肝、肝臓、腎臓、腸など少しずつばらしていきます。
雌鶏には、すぐ産みそうな卵はなかったけれど、卵管にいずれ卵になる
「キンカン」がたくさん。
腸は、ぴーっと切り開いて、中の便をきれいに出して、洗います。
雄鶏の心臓は雌鶏の三倍ほどのでかさ。重さも8ポンド(4kg弱)くらいという
すごい量!!
頭は、くちばしを切り取って、足は、爪の部分を切り落として、処理完了。




 頭や足はスープに、油の部分は、トスタード(コーンナッツ。乾燥トウモロコシの
揚げ焼き)に使います。
いつもは内臓もスープに使っちゃうんだけれど、スープにしても、内臓が苦手な
パートナーエクトルも長女ムユも全然食べないので、どうせ一人で食べるんだったらと
思いついて、違うものを作ることにしました。
そしてこれがその初挑戦の内臓を使ったパテ!


 なんかオサレじゃないでしょうか?!肝臓だけじゃなくて、心臓も腎臓もキンカンも、
はたまた精巣までぜんぶ使いました。(あ、でも砂肝&腸は、スープ行き。)
でも、なんだかこんなのあまりに贅沢な気がして&すぐ終わっちゃうと思って
嵩ましにマカデミアナッツを入れてみました。前日に水に1時間ほど、水を
換えながらつけて、タマネギとニンニクとオリーブオイルでいためて、
さらにワインで煮て、マカデミアナッツとともミキサー(フープロはない)で
なめらかに。全部じゃないけど(というか内臓とタマネギだけだけど)、
原材料まで自家製ってすごくねーか?と、そのオサレ度も含め、
かなり一人で夜中にハイテンションに。
どうせ一人で食べるんだと思うと、ハーブとかもじゃんじゃん入れられちゃう。
ちなみに↓はぼけちゃってるけれど、パテと一緒に食べるためにだけに作ったクラッカー。

↑パテもそうだけれど、今現在、計量器がないという状態で、すべて目分量。
その割にまともにできたかも。
 ちなみに最近やっと「レシピに従う」ということができるようになったのに、
計量器ダウン…。しかもこれでエクアドルで三台目の計量器。壊れ過ぎ。
でもどっちにしても目盛りが25g毎だから、参考にならないけど…。

 お肉は翌日のクリスマスパーティーのバーベキュー用に、塩麹につけておきました。
でもさすがに二羽は多いので、一羽は、冷凍庫に。


↑バーベキューになると鍋奉行ならぬバーベキュー奉行になるエクトル。

↑バナナも焼きました。

↑ちょっと食べかけだけれど、こんな感じ。汚くてスミマセン。
ソースもいろいろ作ったけれど、でも塩麹のおかげか、炭火のせいか、
もともとのおいしいお肉だったのか、何にもつけなくてもおいしかった。

↑今ファームステイしているジーンさんも一緒に。

 
↑今年のケーキ。チョコレートとビーツのケーキ。
さらに、庭で採れたレモンの皮があまりにもったいなくて作り、
でも使い道がなかったピールも入れました。
あ、卵もうちのだ!とにかく入れられるものは入れる!
(これまたすべて目分量)

 なんだか今回は、いろいろスムーズにできて、すごくゆったりしました。
この規模のごはんを作ると、嵐のように作って出して食べて洗って、と
けっこう忙しなかったりするのですが、今回は、前日と午前中に作って、
お昼になってエクトルが肉やらを焼き、ごはんを食べて、ゆったりして、
少し間があいたらお皿洗って、またワインをちびちび飲みながら、残りものをつまみ、
そして動物たちにえさをやり(農家の悲しい性)、そしてまた飲み、つまみ、
暗くなって寒くなったらたき火をして、子どもらその辺で寝ちゃう、みたいな、
なんだかあえりえないくらい夢のようなスロークリスマス。全然大変じゃなかった。
夜ごはんにこういうことやると忙しないけれど、昼ごはんにしたから時間に
余裕があったんだなー。うん、いいペース配分だったわー。


↑ハンモックにゆられ、のんびりしながら、次女サチャと子犬が戯れるの
ずっと眺めている。

 それにしてもお肉(&パテ)はおいしかった。
「殺す」のは怖いし、かわいそうと思ってしまう。
でも、育てた責任があるから、できるだけ自分でやる。
ありがとう、おいしくいただきますね、と心の中で思いながら。
そして食べられるところは全部食べる。
それが、いのちに対するひとつのリスペクトではなかろうかと思っていマス。
でももうちょっと自分でやれるようにならないとなー。

 

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