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2012/09/17

10年目のインティ・ライミ

 これまた数ヶ月前の話ですが、6月は、先住民の人々が一年で一番楽しみに
しているインティ・ライミがあります。

 インティ・ライミというのは、太陽の神様のお祭りです。

 私はここコタカチに来てから10年経ちますが、インティ・ライミの様々な側面を
見てきました。今まで何度も、ブログにインティ・ライミのことを書いてきましたが
2008年2009年2010年、あれ?去年はなんで書かなかったんだろう?)、
でももっとちゃんと書きたいと思って、ナマケモノ倶楽部のページに、
インティ・ライミのことを書かせてもらいました。

 インティ・ライミのことはずっと以前からきちんと書こうと思っていましたが、
でも単なる自然の恵みに感謝する伝統的なお祭りですということだけに
終始したくなく、暴力的な側面を含む「広場の奪取」をどう書くかを
ずっと迷っていました。

 まだ独り者だった頃は、単調ながらも、繰り返していると、ある種の高揚感を
感じることができる踊りに夢中になりました。ペグーチェという、神聖な滝がある
場所での行水も夜中の冷たい水の中ではしゃいでいました。


↑アナコ(先住民族の女性の衣装)を着て、広場を駆け回る私。

 でも、長女ムユが生まれた直後(ムユは6月3日生まれ)のインティ・ライミのとき
コタカチの広場のすぐそばに住んでいて、「広場の奪取」で
暴動が起こり、
それを収めようとする警察が投げた催涙弾のガスがアパートの中まで入り、
ムユを抱えたまま往生し、ムユの顔に薄いガーゼをかぶせてトイレに
ずっと閉じこもっていたり、広場の奪取の日でないときに、広場近くを歩いていたら、
ガラス瓶が目の前に落ちてきて、ガラスの破片がムユの足に刺さり、その辺に
待機していた救急車に応急手当てしてもらったりと、近場でケンカが勃発し、
血だらけの男たちがこちらに向かって走ってきたりと、けっこうおそろしいめに
あいました。独り者の時は、けっこう楽しんでいたお祭りでしたが、こんな危ない
祭りなんか嫌いだとしばらく敬遠していました。



↑「広場の奪取」の日。


↑催涙ガスで煙る広場。
車の中から撮ったらしい。

 でも、村に住んでいると祭りが近づくに連れて人々のその高揚感がどうしようもなく
伝わってくるのです。仕事を首になっても、男たちは踊ってるか酔っぱらってるかの
どっちかでも、女たちは怒らないし、むしろウキウキしてごちそうを用意し、
子どもたちも大人のまねをして、踊りながら地団駄を踏む。外国人や

エリート系エクアドル人が軽蔑するお祭りですが、村に住んでいる私にはそれを
単に野蛮なものと切り捨てられない気持ちがあって、どうしてそういう気持ちに
なるのかとか、その魔力とか、その意味をなんとかちゃんとわかりたいと、
今回ナマケモノ倶楽部の記事にちゃんと書いてみました。
今までなんとなく感じて来たことを言葉にすることができて、思い込み大部分で
あるにせよ、自分ですっきりした気持ちになりました。
そうだ、こういうことだったんだ、と。

 よかったらこちらからどうぞ→「太陽の神様のお祭り 『インティ・ライミ』」
 自然への感謝を表しつつ、楽しく、危ない祭り、インティ・ライミ。
これからも、状況次第で、参加したりしなかったりだと思いますが、6月になる度に
気持ちがだんだん高揚してくるのを感じることと思います。

↑インティ・ライミの最終日、子ども&女性の日。
この日は、比較的平和な日。

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